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[はじめての調色]マットな質感はどうやって作ればいいの?(艶・グロス)について

  • 執筆者の写真: 吉田 裕志
    吉田 裕志
  • 4月19日
  • 読了時間: 4分

マットなテクスチャーとフルグロスのテクスチャー画像
※写真はイメージです

2025年もトレンドはマットなものばかり。そのトレンドは塗料の世界でも例外ではありません。皆さんのご家庭の中にもセミグロスやフルマットな商品があるのではないでしょうか?プロの方、DIYをされる方にとっても、質感は出来栄えを左右する重要なポイントだと思います。そこで今回は艶(グロス)についてお話したいと思います。どうしたら理想的な艶を作ることができるのかのポイントも必見ですよ!



 この記事の目次

<艶(グロスについて)>

<どうしたら理想の艶(グロス)が作れるの?>

<まとめ>



<艶(グロスについて)>


マットな塗料とは

マット(艶消し)または艶の調整済の塗料を指します。上品な質感や独特な風合いを出せることから、近年注目の多いジャンルの塗料です。


どうやって作ってるの?

その上品な質感や独特な風合いはどうやって作っているのでしょうか?それは顔料の種類や粒径、樹脂の種類、または塗布の方法、添加剤によるものまで様々です。

その原理とは

さて、様々な工程や技術により作られてるマットな塗料ですが、その原理とはどういったものなのでしょうか?マットな質感=光沢を抑えることに技術的なポイントがあるわけですが、主に以下の通りです。


微細な凹凸構造:塗膜表面に微細な凹凸を形成することで、光を乱反射させ、正反射を防ぐことにより、ギラツキのない落ち着いた表面が得られます。この凹凸を、微粒子状のフィラー(体質顔料)を意図的な粒径や濃度で配合したり特殊な樹脂を使用したりすることで形成させます。


・添加剤の利用:光沢を含まない、または含有量の少ない添加剤を使用することで、塗膜の平滑性を低下させ、マットな仕上がりを付与します。


・顔料の選択:光沢の出にくい性質を持つ顔料を選択することでマットな質感を得ることができます。また樹脂との混合比(含有率)を調整することでもその効果を得ることができます。



<どうしたら理想の艶(グロス)が作れるの?>


簡単かつ実践的な方法

もっとも簡単かつ、実践的な方法。それは添加剤(フラットベース)を活用することです。量販店や専門店、またネット販売でも簡単に入手することが可能なためです。


・フラットベース:二酸化ケイ素(SiO₂)または非晶質シリカに特定の樹脂などを配合した添加剤。


フラットベースの使い方

①まずは艶を調整したい塗料のメーカーや種類を特定しましょう。塗料の種類によつて樹脂の成分が異なるためです。その樹脂(成分)によりフラットベースの種類も様々あります。適応外なフラットベースを使用すると塗料の性能や品質が壊れてしまう可能性があります。またメーカーや塗料の種類によって添加量が異なります。添加量を間違えると艶の調整不足や添加過多による塗料の性能低下を招くため、ラベルなどの表記で特定できない場合は、メーカー、販売店に問い合わせてみましょう。


具体的な使用例

例えば、関西ペイントのPG80(ウレタン塗料)を例にあげてみましょう。ウレタン塗料は硬化剤を添加することで硬化する2液タイプのウレタン樹脂塗料です。そのためフラットベースもウレタン樹脂タイプのものを使います。(レタンPGフラットベース)ウレタン塗料はフラットベースの添加量がやや多いのが特徴です。

フルグロス(G90以上)からセミグロス(G50前後)程度であれば、全体量の15~20%程度添加していきましょう。またフルマットであれば全体量の40~50%程度添加していきましょう。

※ただし、塗装方法、シンナーの希釈量などにより数値は前後します。また艶が落ちすぎてしまった場合は戻すことが困難なため、少量ずつ添加していき、テストを行いながら理想の艶を目指しましょう。


< まとめ>

いかがでしたでしょうか?艶の調整は、じつは調色において重要な工程です。艶によって色の見え方や印象が変わることもあるからです。ぜひ参考頂き、理想の艶を作って頂けたらと思います。



 

社長の似顔絵

[記事を書いた吉田裕志について]


吉田裕志(よしだ ひろし) B型 職人気質

有限会社レインボーペイント代表取締役

調色歴20年以上、国家資格である単一等級調色技能士、一級塗装技能士を持ち、

今でも調色に情熱を注ぐ

座右の銘 「背中の汚れは調色マンの恥だ」




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